理事長所信

一般社団法人八女青年会議所
2022年度理事長所信
第63代理事長 大石 祐介

【はじめに】

2021年、我が国は苦境の中でも平和の祭典である東京オリンピックを成功させ、世界をリードする形で、コロナ禍からの復興に向けて確かなあゆみを進め始めました。本年で戦後77年となりますが、この間にも大災害や長期不況など幾多の困難が我が国を襲いました。その度に立ち上がり、先頭に立って社会を引っ張ってきたのは私たち青年でした。先輩諸兄姉が作り上げてきた「明るい豊かな社会」を礎に、今こそJCがニューノーマルな手法で社会課題に立ち向かい、解決することで大変な時代を生きた子供たちに未来への希望を与えなくてはなりません。まず、この八女地域の発展のために何が障壁となっているのか、私たちは現状の地域が抱える社会課題を把握する必要があります。そして、この八女地域がもつポテンシャルや価値を発見し、社会に示すことで課題の解決への足掛かりとします。さらに、社会課題を解決した上で地域経済、福祉、社会環境に好循環を作り出し、持続可能な社会を目指します。また、本年はDISCOVER~新たな価値の発見~をスローガンにこの地域のもつ価値、子供たちのもつ可能性、私たちJAYCEEのもつ力を発見し、社会に示します。そのうえで先輩諸兄姉の想いを引継ぎ、「明るい豊かな社会」へのあゆみを進めます。

【地域社会の未来のために】
 

私が生まれた1985年、八女市の人口は84,556人でした。それに対して最新の発表(2021年5月)では61,599人となっており、約27%の人口減少です。減少の主な理由としては少子化と他地域への人口流出が考えられます。私たちの子供が成人になった時に、多くの高齢者を抱えることになる八女地域は社会を維持できるのか、今の子供たちの世代に大きい負担が無いか、不安を覚えてしまいます。少子化は日本社会全体の抱える課題ですが、人口流出を防ぎ、増加に繋げるには八女地域を真に魅力的なまちにする必要があります。子育て世代にとって魅力的なまちとは何かを考えると、やはり強い経済をベースにして、人々が十分に福祉を享受できる豊かな社会です。郷土愛を醸成するだけでは若い世代は八女に定着しません。私たちは持続可能な八女の実現のために、地域のもつ産業の価値を発見し、社会に示し続ける必要があります。八女地域のもつ産業は多くありますが、特に強い産業は農業であると考えます。まず、八女市と広川町の農作物産出高は284億円、福岡県トータルで2,124億円と13.3%を占めており、全国的にみても農業産出額が高い福岡県内においてトップの生産額となります。これは生産の売上額ですので関連した卸業、小売業などの売上もこれに加わります。さらに、農業圏でありながら、福岡市、熊本市など都市部へのアクセスも良く、職と住を兼ね備えたまちであると言えます。しかし、現状では働きやすさと住みやすさを備えた八女地域のまちとしての魅力が十分に伝わっているとは言えず、人口は減少、流出を続けています。今こそ農業を中心とした産業を八女地域の価値として発信し、若い世代を定住させ、持続可能なまちづくりを進めます。

【子供たちの未来のために】

2020年初頭より、新型コロナウイルスの蔓延により社会は深い闇に包まれました。このウイルスは疾病自体の怖さもさることながら、その恐怖がインターネットを通じて人から人へ伝播し感染者への差別を生み、世界中へと広がりました。そのことにより私たち大人が必要以上にうろたえ、子供たちに大きな不安と恐怖を与えてしまいました。大人が不安に負け、他人を傷つける姿は学校におけるいじめの構図と同じであり、私たちが子供に見せるべき姿は、恐怖に負けて他人を侮辱することではなく、慈しみの心を持ち周りの人を守ることです。将来今回のコロナ禍のような事態が発生した際に同じ過ちを繰り返さないよう、周りの人の気持ちを考え、優しく対応できる精神的に強い子供を育てる必要があります。健全な子供の育成のために、まず、子供たちが人の想いや痛みを感じることができるように共感力を育てる必要があります。そして、他人と一つの目標に向かって協力し、成功、失敗の実体験をすることで、共に成功することの喜びと周りの人間の失敗に対する対応、さらに自分が何か失敗をした時に立ち上がる強さを身につけます。また、SNSは現代において情報を得るために不可欠のツールであり、ネット・リテラシーも同時に学ぶ必要があります。そして、実体験の中で自分の価値を発見し、自分に自信を持ち、社会へと一歩踏み出す勇気を得てもらいます。持続可能な日本社会のために、未来を創る子供たちの強い心を育てます。

【国際化社会に対応するために】

1993年に外国人の技能実習制度が導入され、海外の若い優秀な人財が我が国へと流入してきました。将来的に日本で外国人の単純労働者が本格的に認められるかは分かりませんが、今後も少子化が進み、つぼ型の人口構造となる日本において持続可能な社会であるには、若い外国人の労働力は必要不可欠です。以前の日本であれば海外との取引がある会社に勤務するなど、一部の人しか外国人と共に働く機会がありませんでしたが、今後はさらに労働者の流入が進み、私たちの子供は国内で働くにしても外国人と共に働く環境となることが考えられます。私たち大人も、子供の世代も外国から労働者を受け入れ、共に社会を作り上げる体制を整える必要があります。残念なことに、現状日本社会においてはステレオタイプな報道や偏ったインターネットの情報に扇動され、一方的に外国人に対する偏見をもつ大人が少なくありません。これは知らないものに対する恐怖がベースにあり、交流、実体験の不足に基づくものです。まず、私たちが子供の世代より海外交流の機会を作り、相互理解の精神を醸成します。そして、相手の国の文化を学び、敬意をもって相手と向き合うことの必要性について知ってもらいます。さらに、SNSも有効に使うことで、バーチャルとリアルをより効率的に使い分けて海外とつながる方法を学びます。そのうえで、他国と共存して持続可能な社会を作り上げるために、子供たちが日本について学ぶ機会を設けることで日本人としてのアイデンテ ィティを高めます。そして、国際社会においてのその価値を見つけ、海外と向き合える人財を育成します。

【強い組織作りのために】
 

近年、日本全体でJCの会員数は年々減少の傾向にあります。その中で私たちJCI八女は拡大を続けており、若いメンバーを中心に新たな人財を受け入れることに成功しました。この会員拡大は組織の維持のためだけに行う運動ではなく、私たちの運動をより大きく、より強くするためのものです。私はJCの魅力の一つとして、様々な職業、バックグラウンドをもっているメンバーが多い点だと考えます。私自身、違う考え方を受け入れることで度々成長の機会とすることが出来ました。共に多種多様性を認め合い、仲間の経験を吸収することで成長することが出来ます。また、私たちJCI八女が会員拡大について抱える課題として女性メンバーの拡大が出来ていない現状があります。現状の男性だけの組織に新たな視点が加わることで、より多様化し、イノベーションを起こすことができます。今後はジェンダーや社会的立場に捕らわれることなく、より多様なメンバーで新たなアイディアと共に事業に挑んで参ります。私たちがより強い組織であるために、入会したメンバーに成長の機会を与え、一人ひとりのスキルを向上させる必要があります。そして、JCは単年度制であり毎年新たな役割を担うため、毎年新たな経験を積み重ねることで青年経済人として成長に繋げることができます。さらに、その経験を自分の生業である事業経営に落とし込むことで経済人としても成長することが出来ます。また、役職をもつメンバーが一般のメンバーに対して成長した姿をみせることで役職をより魅力的なものとします。そして、メンバー全員が自身の知らなかった自分の価値に気づくことで、新たな挑戦へと繋げることが出来ます。お互いが違いを認め合い、相手のアイディアを尊重して受け入れ、新たな挑戦を続けることで各々が成長し、より強い組織が完成します。

【結びに】

2020年、2021年は新型コロナウイルス蔓延により自由に私たちの運動が展開できない時間が続きました。制限がある中でも機会の損失とならないよう、青少年育成や地域活性化など、この八女地域が明るく豊かであるために必要不可欠な事業を展開してきました。この2年間、苦しみながらも展開してきた事業や経験は私たちJCにとっても貴重な経験となり、今後の事業に活かしていかなければなりません。そして、十分に運動が出来なかったこの2年間の想いを本年にぶつけ、率先して行動し続けることで暗い話題が多かった社会に明るい未来を示します。また、本年のJCI八女はDISCOVERのスローガンのもと、青少年や地域、私たちJAYCEEのもつ可能性を探求し、新たな価値を発見することで持続可能な社会へ向けたイノベーションを起こします。DISCOVERは発見する、が和訳ですが、DIS(外す)+COVER(覆い)で覆いを取り除き何かを発見する、という語源となっています。私たちの行動を制限している不安や遠慮といった覆いを取り除き、目標を常に高く設定した上で行動し,挑戦し続けることで私たち自身の、そして八女地域の新たな価値を発見します。無限の可能性に挑むために、本年のJCI八女は青天を衝く勢いで行動し、白雲を突き抜ける気力でこの八女地域の価値創造に貢献して参ります。