2025年度理事長所信
【はじめに】
今から66年前の1959年8月、八女青年会議所(以下、八女JC)は、この地域を想う青年有志により発足しました。この66年という歴史は今とは違う時代背景の中で八女地域の明るい豊かな未来を目指して活動・運動に邁進された多くの先輩諸兄姉が尽力されてきた歴史だと考えます。JCが掲げる明るい豊かな社会の実現という目標は、いつの時代もこの地域の課題と真剣に向き合う我々の使命であり、これからも継承していかなければなりません。
私は、JCに入会し様々な経験を通して成長できたと感じており、八女JC無くして今の自分は形成できておりません。顔も見えない「誰か」のことを想い、多くの時間を費やし、多くのメンバーと議論、行動し、利他という意識を本気で醸成できる組織はJCしかないと考えているからです。しかしながら、多様性が求められる時代に多くの方にこの組織の良さをうまく伝えていくためには、先輩諸兄姉より受け継いだ素晴らしい伝統を継承しつつ、会員一人ひとりが現状と向き合い、時代に即したアップデートを行っていかなければ組織はあっという間に衰退の一途を辿ることは明らかです。八女JCが永続的に運動を展開していくためには、5年後、10年後を見据え、今まで以上に強固な組織を目指して土台作りを行い、地域により良い変化を与える組織へと成長し、八女地域の明るい未来に向けて一心に取り組む必要があります。
自分の貴重な時間とエネルギーを費やす組織の選択肢の一つにJCがあるのではなく、JCしかないとメンバーが想える組織作りを行うことで、一人ひとりが自分のまちのために真剣に行動できるようになります。そして、これからの八女地域の未来を描けるようになることで、地域を牽引するリーダーへと成長すると確信します。これからの明るい八女地域の実現を目指して、心を一つにここから新たな一歩を踏み出します。
【明るい八女地域のこれからのために】
私たちが住み暮らす八女地域は美しい自然と伝統文化が融合した魅力的な地域であり、全国的に有名な産業が多数内在しています。一方で他の地方都市と同様に少子高齢化、人口の都市部への流出、地元企業の衰退、商店街の空洞化、コミュニティの減少等により地域経済の停滞が続いています。その課題に対して地域を支える私たち青年が現状を理解し、八女地域の明るい未来を実現するためにはより多くのアイディアを結集し、行動に移すことが必要です。
地域の明るい未来を考える上で、まずは住み暮らす人の郷土愛の醸成が必要不可欠です。八女地域に住み暮らす人が自分の育ったまちのことを知り、誇りや愛着を持つことで住民一人ひとりがまちのことを自ら考えるようになり、当事者としてまちづくりに参画する意識につながると考えます。また、近年では日本の文化が海外で高く評価されるようになり、この八女地域の伝統文化も時代に合わせて新しい文化として生まれ変わることでより多くの人の手に届くように進化しています。八女地域の誇る豊かな自然や歴史、文化を守り農業や伝統産業を始めとする特産品の継承と発展に対して地域の明るい未来を願う行政や各種団体と手を取り合い、アイディアを結集し、八女地域内外へ従来の魅力とともに新しい魅力を発信することが重要です。地域のこれからを真剣に考える人が一人でも多くなることで、それぞれのコミュニティが強化され、幸福度の高いまちへと発展していくと確信します。
私たちJCが地域の人々のこれからの未来にきっかけを与え、八女地域を愛する人財を増やし、笑顔溢れるまちの実現を一心に目指します。
【次世代を担う子供たちのこれからのために】
子供たちは地域の明るい未来に欠かせない存在であり、次世代を担う大切な人財です。現在の子供たちを取り巻く環境は複雑化し、SNSを使ったいじめや家庭環境の違いによる教育の格差など直面している問題は多岐にわたります。SNSの発達によりコミュニケーション手段が増えて便利になった一方で、実際に相手と直接対話したり、お互いに感情を共有する機会が減り、相手への配慮が不足し他者の過ちや欠点を受け入れることができない子供や直接のコミュニケーションを苦手と感じる子供が増加しています。これからの子供たちが健全に成長し、将来社会で活躍できるようになるためには私たちJCが家庭、学校、地域社会と協力して心の教育に取り組む必要があります。
まずは、自分以外の誰かのために考えて行動できる人財を育成するために、多様性を学び、相手を受け入れ、人の役に立つことの素晴らしさを経験し、利他の精神を養うことが重要です。様々な情報が行き交う現代社会において、情報を正確に取り込み、相手を受け入れ、認め合う、そのような一連の流れの中で、相手を許す寛容な精神が必要だと考えます。誰しも失敗や間違いがあることを学び、その経験を経て相互に成長する喜びを伝えていきます。また、同じ方向に向かって誰かのために行動する機会を創出し、コミュニケーションの重要性や大きな成果を成し遂げた時の達成感を共有する喜びを実際に体験することで将来に夢や希望を持ち、それを実現するための行動力や自主性を養うことにつなげます。
成長していく子供を地域全体で育む環境を作ることで、子供たちが夢や希望を描き、人のために行動できる人財となり、10年後20年後の八女地域の未来を担う次世代のリーダーとして成長できるように導いていきます。
【これからの地域を牽引するリーダーとなるために】
明るい豊かな八女地域を実現するためには、私たち青年一人ひとりが自己研鑽を重ね、組織の中で団結力を養い、目標達成に向けた行動力を兼ね備えたリーダーへと成長していかなければなりません。しかし、JCは様々な業種によってメンバーが構成されており、社業や個人の取り巻く環境によってJC活動に費やすことができる時間は一人ひとり異なります。強固な組織となるためには、そのような限られた時間を有意義な時間とし、メンバー一人ひとりがJC活動に対してしっかりとした意義と目的を持って行動することが重要です。
まずは、JCの掲げる「青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する」というMISSIONに基づき、個人の成長に焦点を当て例会などの各種会議を実りの多い時間とし、自己研鑽の場を創出させることで様々なスキルを習得できる機会を提供します。そうした取り組みを続けることで自己を成長させながら、社業にも活かせるスキルを学び、メンバー一人ひとりが魅力的な人財に成長できるように導きます。また、「奉仕・修練・友情」の三信条を活動の中で経験することで友情を育み、利他の精神を学び、大きな困難を克服できる精神力や実行力を身に付けたリーダーへと成長していくと確信します。
JAYCEEとして妥協することなく自己研鑽を一心に励むことで、社会により良い変化をもたらし地域を牽引するリーダーへと成長し、これからの明るい八女地域へと導きます。
【永続的なLOMのこれからのために】
JCは20歳から40歳までの限られた期間で活動する団体であり、八女JCも1959年の創立から先輩諸兄姉が後輩へと想いをつなぎ66年の歩みを進めてきました。八女JCの会員数はここ数年現状維持しているものの、永続的な組織であるためには会員の拡大はLOM全体で取り組むべき最重要事項です。また、全国的にJCの平均在籍年数は4年と短く、八女JCも歴の浅いメンバーが増えてきており、短い在籍期間の中でもLOMにおいて活躍できるリーダーの育成をしていかなければなりません。
私たちの運動をより効果的に発信していくためには、若い世代の人財を同志として受け入れ、また同時に退会者を出さない取り組みをメンバー一丸となって取り組んでいかなければいけません。そのために会員拡大に対しては具体的な拡大目標を設定し、新たに八女JC独自の拡大褒賞制度を設けてLOM全体で取り組みます。また、入会につながった後も一人ひとりの負担や想いを理解し合い、きちんとフォローアップし続けることが必要であり、この大切な期間に同期として強固な絆を深めて相互に成長することが今後のLOMの発展に大きく寄与していくと考えます。さらに、早い段階で事業の構築に携わることで即戦力として行動できる人財に成長していくと確信します。
多様な人財を受け入れ、LOM全体で活躍できる人財の育成を一心に行うことで、今まで以上に魅力的な運動を展開し、八女地域の多くの人に共感と影響力を与えることができる組織へと導きます。
【結びに】
八女の伝統工芸にも使用され身近に感じる竹という植物は、あっという間に成長するように思われがちですが、その成長過程において4~5年間のほとんどは地上で成長を見られません。その間に十分に根を張り続け、根を張った後に驚くべきスピードで一気に成長します。目に見える成長のスピードは目に見えない支える力によって形成され、竹は雪の重みにも強い雨風にも耐えることができるようになります。八女JCは昨年65周年を迎え、新たに70周年に向けた一歩を踏み出すにあたり、本年度は組織力向上、まさに土台作りにおいて大切な1年目だと確信します。
私たちが生まれ育った八女地域の明るい未来を創るためには、今一度自分たちの組織を見直し、強固な結束力を持った魅力的な団体へと成長し、地域が抱える課題に一心に挑戦し続けなければなりません。
心を一つに、一つのことを心を込めて大切にしていきましょう。 大切なこれからをつくるのはここからです。